在留資格申請における不許可事例と、その防止に向けた基本的な考え方

在留資格申請における不許可事例と、その防止に向けた基本的な考え方

はじめに

在留資格申請は、日本での就労・生活・家族の帯同などを可能にする重要な手続きですが、必ずしも「申請=許可」となるわけではありません。申請が不許可となることは、制度上の要件や提出資料の状況などに基づき判断されます。本記事では、代表的な不許可となる事例と、申請前に意識しておきたい基本的な考え方を整理します。


1.在留資格申請における「不許可」とは

在留資格の申請手続きは、出入国在留管理庁が法令に定められた要件や基準に照らして審査を行い、要件を満たしていると判断されれば許可されますが、満たしていないと判断されれば不許可となります。
不許可は、必ずしも申請者の悪意や違法行為だけを意味するものではなく、制度要件との不適合や資料不備などが理由となることがあります。


2.在留資格申請が不許可となる主な事例

以下は、一般に申請書類・審査過程で指摘されやすい代表的な事例とその背景です。なお、具体的な判断は個別の申請内容と証拠に基づき行われます。

2-1.申請書類の不備・記載の不整合

不許可のもっとも一般的な原因の一つに、必要書類の不足・記載漏れ・資料間の不整合があります。
入管は申請書だけでなく、契約書・履歴書・納税証明書等、複数の資料を突合して審査します。書類が欠けていたり、書類間で内容が一致しない場合、全体として信用性が下がり不許可となることがあります。

例:

  • 提出書類に署名漏れや日付の記載不備
  • 申請書と雇用契約書の職務内容の相違
  • 履歴書の期間と在学証明書の期間が合致しない

2-2.在留資格の対象となる活動内容と要件不適合

在留資格ごとに活動内容や資格要件は法令(入管法別表)で定められており、これに該当しない活動内容での申請は不許可となります。法務省

例:

  • 技術・人文知識・国際業務なのに、仕事内容が要件に合致しない
  • 留学から就労系資格への変更申請で、資格外活動の上限制限違反等がある場合

2-3.在留状況・素行上の問題

在留期間の更新や資格変更では、現在の在留資格に応じた活動を適正に行っているかどうかも審査対象です。法律違反や不適切な活動がある場合、不許可となるケースがあります。

例:

  • 資格外活動の上限制限違反(例:留学生の就労時間超過)
  • 刑罰を受ける行為に関与している場合(罰金刑等)

2-4.経済的基盤・安定性の不足

特に永住許可申請や家族滞在ビザなどでは、日本での生活基盤としての収入・納税記録・社会保険加入状況が重視されます。これらの要素に不備や不安定さがある場合、不許可の判断がされることがあります。


3.不許可を防ぐために意識すべき基本的な考え方

申請が不許可となる要因は多岐にわたりますが、以下の基本的な考え方を押さえることで不許可リスクの低減につながります。

3-1.法令要件を正確に把握する

在留資格ごとに、活動内容・学歴・職務内容・報酬基準などの法令要件が異なります。単に一般論で判断するのではなく、法令上の要件を正確に確認することが重要です。

3-2.資料の整合性・具体性を高める

提出書類は単体として揃えるだけでなく、内容の整合性や具体性が審査官に伝わるように準備することが大切です。

  • 記載内容が他の書類と一致しているか
  • 活動内容が客観的に説明されているか

などを丁寧にチェックします。

3-3.在留状況の適正な維持

現在の在留資格での活動内容を適正に行い、法律違反や資格外活動の制限違反がないよう日頃から意識することが求められます。


4.実務上の注意点

不許可理由は通知に簡潔な記載があるのみで、詳細が示されないことがあります。希望すれば入管で不許可理由の説明を受けることが可能ですが(面談等)、申請前の準備が重要です。

また、不許可後に再申請する場合は、不許可理由を把握・改善したうえで申請する必要があります。改善が不十分なまま再申請しても再び不許可となるリスクがあります。


おわりに(まとめ)

在留資格申請が不許可となる背景には、法令要件との不適合、書類不備・不整合、在留状況の問題など複数の事由があり得ます。申請前に制度要件を正確に把握し、資料の整合性・具体性を高めることが不許可リスクの低減につながります。不明点は公式情報で確認し、必要に応じて専門家に相談することも検討してください。

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