外国人を雇用する場合、日本人と同様の雇用コストに加えて、在留資格にかかる手続費用や生活面に関連する費用など、事業者・本人双方で発生し得る費用項目が存在します。本記事では、公式情報に基づき、確認できる費用の範囲と注意点を整理します。
1. 外国人雇用における費用の全体像
外国人雇用にかかるコストは、大きく次の2つに分けて考える必要があります。
- ① 事業者が負担する費用
→ 在留資格手続、社会保険等の法定費用や事務コスト - ② 本人の生活に関連する費用(賃貸や光熱費等)
→ 原則は本人負担ですが、雇用条件により支援が必要な場合もある
このうち①については法令・告示等で費用が確認できる部分がありますが、②については法令上明記された負担義務があるわけではなく、個別の雇用条件として整理する必要があります。
2. 在留資格に関する手続費用
2-1. 在留資格認定証明書交付申請
外国人を海外から呼び寄せる場合、「在留資格認定証明書交付申請」を出入国在留管理局に提出します。この申請には手数料は原則不要です。
2-2. 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請
既に日本に在留している外国人について在留資格を変更したり、在留期間を更新したりする場合には、収入印紙による手数料がかかります。
2-3. 行政書士等の専門家への依頼費用
法定費用ではないものの、実務上は行政書士等の専門家に申請手続きを依頼するケースが多く、その報酬額は事務所により異なります。
3. 雇用に伴う社会保険・労働保険の費用
外国人を雇用する場合、社会保険・労働保険への加入義務は日本人と同様です。これは法令で定められており、外国人であることを理由に追加の保険料が発生するわけではありません。
- 健康保険・厚生年金・雇用保険等:給与に対して一定割合の事業者負担が生じる
※率は制度改正等により変動します。
具体的な保険料率は政策・年度ごとに変わるため、各制度の公式サイト等で最新情報を確認してください。
4. 外国人の生活に係る費用について
雇用における費用は、必ずしも事業者負担だけではありません。雇用される外国人本人が生活する上で発生する費用もあり、事業者は本人の負担とどの費用を支援するのかを雇用契約で明確化することが重要です。
4-1. 住居に関する費用
外国人が日本で暮らすために必要な住居にかかる費用(敷金・礼金・仲介手数料等)は法令上事業者が負担すべき義務はありません。ただし、雇用条件の一部として補助を検討する場合は労働条件通知書等で明示することが望ましいです。
4-2. 生活費・日常消費費
食費、光熱費、通信費などは原則として本人負担です。事業者が独自に支援制度(社宅の提供や補助)の整備をする場合は、あらかじめ雇用契約等に記載する必要があります。
4-3. 支援の注意点
生活関連の支援を行う場合、本人への費用負担の転嫁とならないよう、適切な取り扱いを確認することが重要です。本人の同意や法令との関係で問題がないかを確認する必要があります。
5. 実務上の注意点
- 外国人雇用では、「法定費用」と「実務上の支援費用」を明確に区別すること。
- 在留資格関連手数料は法令上定められていますが、専門家報酬・住居費等は法定事項ではなく、契約によるものです。
まとめ
外国人を雇用する場合、雇用に直接関係する在留資格関連の手数料や社会保険等の法定費用が発生します。
一方で、住居や生活費などは法令に雇用者負担義務として明示されていませんが、実務上の取り扱いとして雇用条件に含めるケースもあるため、明確に整理することが大切です。
最終的な費用の負担範囲や金額については、在留資格の種類・個別の雇用契約・専門家報酬等によって異なるため、公式情報を基に丁寧に確認・整理することが重要です。
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