Ⅰ.外国人従業員のキャリアアップ方策とは(概要)
外国人従業員のキャリアアップ方策とは、業務内容の高度化、役職付与、処遇改善、教育・研修機会の提供などを通じて、本人の能力や経験を段階的に高めていく取り組みを指します。
この考え方自体は、日本人従業員のキャリア形成と大きく異なるものではありません。
一方で、外国人従業員の場合には、在留資格制度との関係を踏まえる必要があります。
業務内容や役割の変化が、現在の在留資格で認められている活動範囲と整合しているかどうかは、キャリアアップ方策を検討する際の重要な視点となります。
Ⅱ.外国人従業員のキャリア形成に関連する制度・公式情報
外国人従業員の就労は、出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格制度によって管理されています。
就労系の在留資格では、在留資格ごとに従事できる活動内容が定められている点が制度上の基本となります。
キャリアアップに伴い、
- 業務内容が変更される
- 責任範囲が拡大する
- 管理的業務が増える
といった場合には、現在の在留資格の活動内容に該当するかどうかを確認する必要があります。
Ⅲ.キャリアアップ方策を検討する際の主な視点
1.業務内容の変更・高度化に関する留意点
外国人従業員のキャリアアップにおいては、実際に従事する業務内容(職務内容の実態)が重視されます。
業務の専門性や内容が変わる場合、それが在留資格で認められている活動範囲に該当するかどうかを慎重に確認する必要があります。
2.役職付与・処遇変更に関する注意点
役職名の付与や処遇の変更も、キャリアアップ方策の一つとして検討されることがあります。
しかし、役職名そのものよりも、実際の業務内容が審査上重視される点には注意が必要です。
例えば、「管理職」という名称であっても、実際の業務が現場作業中心である場合、
役職名だけで在留資格上の評価が変わるとは限りません。
管理的業務への移行を伴う場合には、業務内容の整理と説明が重要となります。
3.教育・研修・資格取得支援との関係
企業が行う社内研修やOJT、資格取得支援は、人材育成の観点から一般的に行われています。
これらの取り組み自体は、直ちに在留資格上の問題となるものではありません。
ただし、資格を取得したことのみを理由として、在留資格要件を満たすと評価されるかどうかについては、公式に一律の基準は確認できません。
資格取得後の業務内容や職務実態と併せて判断される点に留意が必要です。
Ⅳ.実務上の注意点と行政書士に相談する意義
外国人従業員のキャリアアップ方策を検討する際には、
在留資格の変更・更新を見据えた事前確認が重要となります。
業務内容の整理や将来的な配置計画について、公式情報を確認したうえで慎重に進めることで、
企業側・外国人本人双方のリスクを低減することにつながります。
個別の事情については、行政書士などの専門家や、所管官庁への確認を行うことが望ましいといえます。
Ⅴ.まとめ
外国人従業員のキャリアアップ方策は、一般的な人材育成の視点に加え、在留資格制度との関係を踏まえて検討する必要があります。
業務内容の実態確認や公式情報の確認を行い、慎重に対応することが重要です。
不明点や判断に迷う場合には、断定的に進めるのではなく、専門家や公式機関に確認する姿勢が求められます。
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