再入国手続における自動化ゲートの位置づけと実務上の留意点

再入国手続における自動化ゲートの位置づけと実務上の留意点

本記事では、中小企業で雇用される外国人従業員が 一時帰国・海外出張等で再入国する際に自動化ゲートを利用する場合の注意点 を、制度の概要から実務上の留意点まで整理して解説します。


自動化ゲートとは何か

自動化ゲートとは、旅券(パスポート)や生体情報(指紋等)を使って 出入国審査手続きを自動で行えるシステム です。
利用者登録がある場合、有人カウンターでの審査に比べて手続きが比較的スムーズになるメリットがあります。法務省

ただし、 「自動化ゲート=審査不要」ではなく、あくまで審査の方式が自動化されるもの であり、審査の内容自体が省略されるわけではありません。


中小企業の外国人従業員と再入国手続の基本整理

再入国許可・みなし再入国許可とは

日本に中長期在留中の外国人が出国後に再び日本に戻る際、以下のいずれかが必要です。

  • 再入国許可(通常の許可):出国前に申請し許可を得る制度
  • みなし再入国許可:一定の条件を満たす場合、出国時に再入国を許可されたものとみなされる制度

みなし再入国許可は、原則として出国から 1年以内かつ在留期限内 の再入国に適用されます。法務省

これらがないと、再入国時に在留資格が消滅する可能性があり、再度査証(ビザ)を取得しなければならないケースがあります。


再入国における自動化ゲートの制度上の位置づけ

自動化ゲートは、 出入国審査手続きを効率化するための手段 であって、再入国自体の許可を与える制度ではありません。
つまり、従業員が自動化ゲートを使うためには、まず最初に 再入国許可またはみなし再入国許可が有効 であることが前提です。


自動化ゲートの利用対象者と事前登録

利用対象

外国人の方が自動化ゲートを利用するには、以下が必要です。

  • 有効なパスポート
  • 有効な再入国許可またはみなし再入国許可
  • 中長期在留者は在留カード(特別永住者は特別永住者証明書)

再入国許可等の有無は必ず事前に本人が確認しておく必要があります。

事前登録

自動化ゲートを利用するには 利用者登録 が必要です。
登録は出国当日に空港で行うことも可能ですが、事前に出入国在留管理局等で登録する選択肢もあります。

登録では旅券情報や指紋等の生体情報が記録され、登録後すぐに利用が可能 です。


中小企業の外国人従業員が特に注意すべきポイント

在留カード・在留期間に関する注意点

  • 在留カードの有効期限や 在留期間の残存期間 を必ず確認する。
    在留期間満了後は再入国許可を取得していても在留資格自体が消滅する可能性があります。
  • みなし再入国許可は一定条件下で適用されますが、すべてのケースに該当するわけではありません。法務省

企業側が在留カードを目視して確認するだけでなく、社員本人に 再入国許可等の有効性 を事前にテストしてもらうことが実務上重要です。


転職・職務内容変更後の注意点

  • 在留資格と実際の勤務内容が一致しているかを 本人が確認する必要 があります。
    再入国時、審査官がこの点に着目することがありますが、自動化ゲートでは相談ができないため、判断が難しいときは有人カウンターで対応する必要があります。

実際の再入国時の流れと自動化ゲート利用時の注意

基本的な流れ

  1. 出国審査時に自動化ゲートの利用登録を済ませる(未登録の場合)
  2. 再入国時に自動化ゲートで審査を受ける
    ※登録済みであれば空港・入国審査場での手続きがスムーズになります。

利用できない場合の対応

自動化ゲートの登録があっても、以下のような場合に 有人審査へ誘導されることがあります

  • 在留資格・再入国許可等に不備・疑義がある場合
  • 生体情報の照合が正常に行えない場合

この場合でも法律上の問題ではなく、 審査方法の切り替え対応 です。本人が焦らず有人カウンターで対応する必要があります。


企業側(中小企業)が事前に確認しておくべき事項

企業は従業員に対して次の点を事前に確認・指導しておくことが望ましいです。

  • 再入国許可またはみなし再入国許可の 有効性の確認
  • 在留カードやパスポートの 有効期限の確認
  • 自動化ゲート利用登録の方法・タイミングの説明

企業側が 必ず利用できることを保証することはできない ため、あくまで本人からの確認と手続きを徹底するよう促すことが重要です。


まとめ

  • 自動化ゲートは再入国審査を効率化する手段であり、 再入国許可等が有効であることが前提 です。
  • 利用には 事前登録が必要 であり、パスポートや在留カードの有効性を事前に確認しておく必要があります。
  • 中小企業の外国人従業員の場合、 在留資格・在留期間の確認や勤務内容との整合性 に注意が必要です。
  • 自動化ゲート利用は本人の判断と登録が不可欠であり、企業側が保証できるものではありません。

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