在留資格申請は自分でできる?行政書士に依頼する場合との違い

在留資格申請は自分でできる?行政書士に依頼する場合との違い

外国人を日本で受け入れて雇用する場合、または既に在留している外国人の在留資格を変更・更新する場合には、出入国在留管理庁に対して在留資格に関する申請を行う必要があります。

中小企業が関係する主な申請としては、次のようなものが挙げられます。

  • 在留資格認定証明書交付申請(海外から外国人を新たに呼び寄せる場合)
  • 在留資格変更許可申請(留学生を就職させる場合など)
  • 在留期間更新許可申請(雇用を継続する場合)

これらの申請は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)に基づき、出入国在留管理庁が審査・判断を行います。


在留資格申請は自己申請が可能か

在留資格申請は、制度上、外国人本人による申請が原則とされています。
また、申請の種類によっては、雇用する企業の担当者が関与し、必要書類を準備・提出することも一般的です。

そのため、中小企業が関係する在留資格申請についても、

  • 外国人本人と企業が協力して自己申請を行う
  • 専門家である行政書士に依頼する

いずれの方法も、制度上は認められています。


自己申請で行う場合

自己申請のメリット

1.費用を抑えられる点
行政書士に依頼しないため、申請に関する専門家報酬は発生しません。
中小企業にとっては、コスト面での負担が比較的少ない方法といえます。

2.社内事情を直接説明できる点
業務内容、組織体制、雇用の背景などについて、企業担当者が自ら把握し説明できる点は自己申請の特徴です。

3.制度や手続を社内で理解できる点
一度自己申請を経験することで、今後の外国人雇用に関する知識が社内に蓄積される場合があります。


自己申請のデメリット・注意点

1.必要書類や説明内容の判断が難しい場合があること
在留資格の審査では、法令だけでなく、業務内容や雇用条件が在留資格に適合しているかが個別に判断されます。
どこまで説明すべきかは、公式資料だけでは判断が難しい場合があります。

2.理由書・説明資料の作成負担
特に「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格では、
「業務内容と学歴・職歴との関連性」などを文章で説明する必要があり、中小企業にとって負担となることがあります。

3.不備や説明不足があっても審査が進む可能性
申請書類に不足や説明不足があっても、必ずしも事前に詳細な補正指示があるとは限りません。
結果として、不許可となる可能性がある点には注意が必要です。

※なお、許可・不許可は申請方法ではなく、申請内容に基づいて判断されます。


行政書士に依頼する場合

行政書士に依頼するメリット

1.申請取次制度を利用できる場合があること
一定の要件を満たす行政書士は「申請取次行政書士」として、
本人や企業に代わって申請書類の提出を行うことができます。

2.必要書類・説明資料の整理を補助できる点
中小企業の規模や業務実態を踏まえ、どの資料を提出し、どの点を説明すべきかを整理する支援が可能です。

3.初めての外国人雇用でも対応しやすい点
受入実績が少ない中小企業の場合、制度全体を確認しながら申請準備を進められる点は実務上の利点といえます。


行政書士に依頼するデメリット・注意点

1.一定の費用が発生すること
行政書士報酬が必要となるため、自己申請と比べて費用負担は増加します。

2.許可を保証するものではないこと
行政書士が関与しても、最終判断は出入国在留管理庁が行います。
不許可となる可能性がなくなるわけではありません。

3.事案によっては判断が難しいケースもあること
業務内容や雇用条件によっては、専門家でも見解が分かれる場合があります。


中小企業はどちらを選ぶべきか

  • 定型的な更新申請で、過去の在留状況に問題がない場合
  • 初めて外国人を採用し、業務内容の説明が必要な場合
  • 留学生を新卒採用するなど、在留資格変更を伴う場合
  • 会社規模や雇用条件について説明が必要な場合

いずれの場合も、個別事情により判断が異なるため、一律の正解があるわけではありません。

しかし、一般的な例として

  • 在留資格の不許可歴がある場合
  • 業務内容と外国人の学歴・職歴の関係が分かりにくい場合
  • 外国人雇用の経験がなく、制度理解に不安がある場合

といった場面では、行政書士に相談を検討すべき場面になり得ます。

※繰り返しになりますが、最終的な許可・不許可は出入国在留管理庁が判断します。


まとめ

在留資格申請は、制度上、自己申請も行政書士への依頼も可能です。
中小企業にとっては、費用、申請内容の複雑さ、社内の対応体制などを踏まえ、どちらが適しているかを慎重に検討することが重要です。

申請方法にかかわらず、公式情報を確認し、事実関係を正確に整理することが、結果として円滑な手続につながります。