登録支援機関が業務を抱え込みすぎる場合に生じ得るリスクについて

登録支援機関が業務を抱え込みすぎる場合に生じ得るリスクについて

支援業務の性質と制度上の位置づけ

登録支援機関は、特定技能外国人を受け入れる企業(所属機関)から委託を受け、支援計画の策定や実行を通じて、外国人材が日本での活動・生活を円滑に行えるよう支援する専門的組織です。支援項目には、入国前の案内や住宅手配、生活相談、定期面談など多岐にわたる内容が含まれています。

ただし、支援の委託は 所属機関の責任が消滅するものではなく、最終的な責務は所属機関に残る点が重要です。委託に伴い登録支援機関が実務を代行しても、所属機関には監督・管理義務が継続します。


業務を抱え込みすぎる場合の主なリスク

1. 所属機関責任の不明確化と法令遵守リスク

支援業務を全て登録支援機関に一任することで、所属機関(雇用企業)自身が支援義務の内容を正確に把握しにくくなる可能性があります。制度上、支援が適切に実施されない場合には 所属機関に法令違反が問われる ため、責任の所在が曖昧になると、改善命令や罰則対象になり得ます。

また、支援項目の実施要件・記録保存義務などが不履行になると、後日行政から指摘を受けるリスクがあり、所属機関自身が支援内容の詳細を把握しておく必要があります。これは支援を任せた場合でも同様です。


2. 支援の質・情報共有の不足リスク

全ての支援業務を外部機関に委託し過ぎると、所属機関が外国人材支援に関する実践的な知見を蓄積しにくくなるとの指摘があります。特定技能制度の支援は日常生活への対応や細かなトラブル対応など実務的な知識が求められることが多いため、所属機関側でノウハウが育たないと 支援全体の品質低下や連携不足につながる可能性 があります。

また、登録支援機関との連携が不十分な場合、支援の状況が所属機関側で十分に把握できず、制度上必要な対応が抜け落ちる可能性もあります。


3. 情報管理・プライバシーリスク

支援業務を全面的に外部機関に頼ると、所属機関が外国人材の個人情報や労務情報を外部と共有する必要が増えます。このとき 個人情報の取扱い・管理が不十分になるリスク があり、情報漏洩や第三者提供に関するトラブルが生じる可能性もあります。こうしたリスクが結果として雇用関係や制度運用に負担を与えることもあります。


4. 支援内容・役割分担の混同による運用上の不一致

登録支援機関は支援計画の策定・実行を委託されるものの、制度上は 所属機関が最終的な管理責任を持つ という基本的な枠組みがあります。このため、担当者間で役割分担が不明確になると、支援計画の実行方針や内容の解釈がずれ、実務上混乱が生じる可能性があります。特に、義務的支援と任意的支援の区別や実施方法について詳細な認識が異なる場合には、運用面で齟齬が生じやすくなります。


5. 登録支援機関側の業務負担の増大

支援業務の全てを抱え込むことは、登録支援機関側にとってもリスクがあります。支援項目は多岐にわたり、現地対応や言語対応など実務負荷が大きいものもあるため、過度な負担は 支援品質の低下や対応遅延の要因 となる可能性があります。


まとめ

登録支援機関に支援業務を委託することで、所属機関は手続きや日常的なサポートの負担を軽減できますが、それを 全面的に任せ過ぎることにはいくつかのリスクが存在します。具体的には以下のような点が挙げられます。

  • 所属機関の責任の所在が曖昧になるリスク
  • 支援の質や情報共有の不足による運用リスク
  • 個人情報の管理・プライバシーリスク
  • 役割分担の混同による対応不一致
  • 登録支援機関側の過度な業務負担

このようなリスクを軽減するためには、所属機関と登録支援機関の間で役割分担を明確にし、連携体制を強化することが重要です。また、所属機関自身も支援業務の内容や義務を理解し続けることが求められます。

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