「特定技能1号と2号って、結局何が違うの?」
特定技能外国人を採用した後になって、
「5年しか働けないと思わなかった」
「支援業務が想像以上に大変だった」
「家族を呼べないと聞いていなかった」
と慌てる企業は少なくありません。
特定技能には「1号」と「2号」の2つの区分があり、在留期間・家族帯同・企業の支援義務など、採用計画そのものに影響する重要な違いがあります。採用活動を始める前に、この記事でしっかり確認しておいてください。
そもそも特定技能とは?
特定技能は、人手不足が深刻な特定の産業分野において外国人材を受け入れるための在留資格です。
2019年4月に創設され、現在は16の特定産業分野が対象となっています(2026年6月時点)。
特定技能には「1号」と「2号」の2つの区分があり、それぞれ求められる技能水準・在留条件・企業の義務が異なります。
特定技能1号・2号の違い一覧
まずは全体像を表で確認してください。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 技能の確認方法 | 技能試験(分野別)+日本語試験 | 技能試験等(分野による) |
| 日本語能力の確認 | 必要(JFT-BasicまたはJLPT N4等) | 原則不要(漁業・外食業分野のみN3必要) |
| 在留期間の上限 | 通算5年 | 上限なし(更新可) |
| 家族帯同 | 不可 | 可(配偶者・子) |
| 受入機関の支援義務 | あり | なし |
| 対象産業分野 | 19分野(令和8年4月1日時点) | 11分野 |
※令和8年4月1日より、リネンサプライ分野・物流倉庫分野・資源循環分野が追加され、対象分野は19分野となりました。新分野については試験実施や運用体制の整備が進められている段階であり、最新の運用状況は各分野の所管省庁および出入国在留管理庁の公表資料をご確認ください。
以下では、企業担当者が特に押さえておくべき3つのポイントを詳しく解説します。
ポイント① 在留期間の上限(1号は5年で終わる)
特定技能1号の在留期間は、通算で5年が上限です。5年を超えて1号のまま在留し続けることはできません。
5年の満了を迎えた外国人材には、主に以下の3つの選択肢があります。
- 帰国する
- 特定技能2号に移行する(同じ分野で熟練技能を取得した場合)
- 別の在留資格に変更する(技術・人文知識・国際業務など、要件を満たす場合)
実務上よくある勘違い: 「特定技能で採用したから長く働いてもらえる」と思っていた、というケースがあります。1号のまま5年を迎えると、本人が希望しても在留を継続できません。長期雇用・幹部候補として外国人材を活用したい企業は、採用段階から2号移行を視野に入れたキャリア設計が必要です。
「5年後に突然帰国になった」というトラブルを防ぐためにも、採用前にこの点を外国人本人と十分に確認しておく必要があります。
ポイント② 家族帯同の可否(定着率に直結する)
特定技能1号では、原則として家族を日本に呼ぶことができません。
配偶者や子どもと離れて日本で働くことは、外国人本人にとって大きな精神的負担となります。これが原因で、予期せず離職・帰国につながるケースも実務上あります。
一方、特定技能2号では配偶者・子どもの帯同が認められます(「家族滞在」の在留資格)。家族と一緒に日本で生活できることは、定着率の向上に大きく影響します。
外国人材の長期定着を重視するなら、採用面談の段階で本人の家族状況・希望を確認し、2号移行後も見据えた働き方を一緒に考えることが有効です。
ポイント③ 支援義務の有無(1号だけに義務がある)
特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、法律上の支援義務があります。
具体的には、以下のような支援を計画・実施しなければなりません。
- 入国前の生活ガイダンス
- 住居確保の支援
- 生活相談窓口の設置
- 定期面談の実施(3か月に1回以上)
- 日本語学習機会の提供 など
これらの支援を社内で対応できない場合は、登録支援機関に委託することが可能です。
ただし、「委託したから終わり」ではありません。 受入機関には、登録支援機関が適切に支援を実施しているかを管理・確認する責任が引き続きあります。定期報告書の作成・提出義務も受入企業側に残ります。この点を誤解したまま受け入れを始めると、後から対応に追われることになります。
特定技能2号については支援義務がなく、通常の雇用管理に近い形で対応できます。
企業が採用時に確認すべきポイント
実際には、企業が「1号か2号か選ぶ」ことはほぼありません。大半は1号からのスタートになります。採用前に確認しておくべきことは次のとおりです。
✔ 担当業務が特定技能の対象分野・業務区分に該当するか
求人内容や実際の業務によって、取得できる在留資格が変わります。「うちの仕事で特定技能が使えるのか」は事前に確認が必要です。
✔ 支援体制をどこが担うか
自社で対応するか、登録支援機関に委託するかを採用前に決めておく必要があります。委託する場合は費用も見込んでおきましょう。
✔ 長期雇用を前提とするなら2号移行のキャリア設計を
1号は5年が上限です。長く働いてもらいたいなら、採用段階から2号移行を見据えた受入れ計画を立てることが重要です。
まとめ
特定技能1号・2号の違いは、単なる制度上の区分ではありません。
在留期間の上限、家族帯同の可否、受入れ後の支援体制など、採用計画そのものに影響する重要な違いがあります。特に外国人採用を初めて行う企業では、求人内容や担当業務によって取得できる在留資格が異なるため、採用前の確認が欠かせません。
「この業務内容で特定技能が使えるのか」
「支援体制はどのように整えればよいのか」
「将来的に2号への移行は可能か」
など、不明な点がある場合は、採用活動を始める前に専門家へ相談することをおすすめします。
【公式出典】
外国人採用は、採用後ではなく「採用前」の確認が重要です。
内定後に在留資格の要件を満たさないことが判明すると、採用計画そのものを見直さなければならない場合があります。
小原行政書士事務所では、外国人雇用に関する在留資格(ビザ)の取得可能性や必要書類の事前相談を行っています。
「この業務内容で採用できるのか」
「どの在留資格が必要なのか」
といった段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
▶ 札幌の外国人雇用・在留資格(ビザ)申請サポート|小原行政書士事務所
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