技能実習生の一時帰国はなぜ必要とされるのか ― 制度上の整理

1.技能実習制度の概要

技能実習制度は、日本で一定期間、外国人が技能・技術・知識を習得することを目的とした在留資格制度です。対象者は「技能実習生」と呼ばれ、技能実習計画に基づく実習を受けます。この制度の根拠としては、技術移転や国際協力という基本的な目的があるとされています。

在留資格としては「技能実習」が付与され、その在留期間・活動内容は地方出入国在留管理局における許可に基づき決定されます。技能実習は段階的に「1号」「2号」「3号」と進むことが可能で、最長5年までの在留が一般的です。


2.一時帰国とは何を指すのか

制度上「一時帰国」とは、在留資格を保持している技能実習生が一時的に日本を離れ母国へ戻る行為を指します。これ自体は在留資格を放棄するものではなく、再入国の意思を持って出国する場合には「みなし再入国許可」の制度が適用されることが一般的です。

「みなし再入国許可」とは、出国から1年以内に再入国する予定である旨を出国審査で示すことで、特別な再入国許可申請をせずに再入国が可能となる制度です。
みなし再入国許可の有効期間は原則として出国日から1年ですが、在留期限がそれより先に到来する場合は在留期限までとなります。


3.技能実習生に一時帰国が求められる制度上の背景

技能実習制度では、基本的に技能等を習得した後、母国へ帰国し習得した技能等を活用するという趣旨が掲げられています。この「帰国して技能を活かす」という制度の目的が、一時帰国という行為の背景の一つになっています。

また、法令運用上、技能実習2号から3号等へ進む場合には、技能実習計画に定められた形で一時帰国を挟むケースが制度上想定されており、その計画内容を含めて許可申請が行われることがあります。


4.一時帰国が具体的に必要となる場面

(1)技能実習2号から3号への移行時
第3号技能実習への移行に関しては、技能実習計画の認定基準として“1か月以上の一時帰国”を組み込む取扱いが示されており、現在は①3号開始前、または②3号開始後1年以内(1か月以上1年未満)のいずれかを選択する整理が示されています。
具体的には「技能実習2号終了後に1か月以上帰国する」「技能実習3号開始後1年以内に1か月以上帰国する」等の選択肢が制定されています。

この帰国期間が技能実習計画に記載され、許可申請の際に示されることが実務上の取扱いとして見受けられます。

(2)その他の帰国理由
制度上必ずしも義務付けられるものではないものの、家族の事情や重要な手続きのため等、個別事情による一時帰国もあり得ます。この場合も在留資格維持のために「みなし再入国許可」等の手続きが重要になります。


5.実務上の注意点

(1)再入国の手続き
一時帰国後に日本へ戻る際には、出国前に「みなし再入国許可」の意思表示をする方法が一般的です。出国後1年以内であれば同じ在留資格で再入国できる制度が認められています。

ただし、在留期限や出国日からの期間等との関係によっては通常の再入国許可が必要な場合がありますので、出国前の確認が必要です。

(2)在留資格との関係
在留資格「技能実習」は、継続的な資格活動を前提とするため、出国時に再入国許可の適正な手続きを取らないと在留資格が失効する可能性があります。そのため、監理団体・受入機関等と協力して手続きを行うことが重要です。


6.まとめ

技能実習制度において一時帰国は、制度の趣旨や在留資格制度の運用上考慮される行為です。技能実習2号から3号への移行等、法令運用の中には一時帰国を含めた計画が示されている場合がありますが、一律の必須義務ではありません。

ただし、在留資格を有する外国人が一時帰国する場合には、再入国許可(みなし再入国許可等)の適切な手続きを行うことが必要です。また、在留資格や実習計画に関わる制度運用は変更される可能性があるため、最新の公式情報の確認が重要です。


【出典URL】

・出入国在留管理庁「みなし再入国許可(入管法第26条の2)」
 https://www.moj.go.jp/isa/immigration/procedures/minashisainyukoku_00001.html

・出入国在留管理庁「再入国許可申請」
 https://www.moj.go.jp/isa/immigration/procedures/16-5.html


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