日本では、少子高齢化により労働人口が減少しており、国も外国人材受入れ制度を整備しているところですが、「外国人はいらない」「受け入れるべきではない」という意見は根強いです。
なぜこのような意識のギャップが生じるのか、制度ではなく「意識」の側から整理してみました。
1.「労働力不足」は多くの人にとって“実感がない”
労働人口が減っている、という話はマクロの話です。
一方で多くの人は、
- 自分の生活は今すぐ困っていない
- 仕事は回っている(ように見える)
- 人手不足は「特定業界の話」(実際に困っているのは建設、介護、製造、外食など特定業界)
と感じています。
そのため、
「人手不足だから外国人が必要」という論理が、
自分の生活実感と結び付かない
というズレが生じます。
2.「外国人=治安悪化・文化摩擦」というイメージが強い
まず大きいのは、実態よりもイメージが先行している点です。
- 犯罪やトラブルが起きた際
→「外国人」という属性が強調されやすい - 問題が起きない多数のケース
→話題にならない
この結果、
「外国人が増える=社会が不安定になる」
という認識が固定化されやすくなります。
3.「本当は賃金を上げるべき」という感情的反発
よく聞く本音として、
外国人を入れる前に、日本人の給料を上げるべきでは?
という考えがあります。
これは感情としては理解しやすく、
- 外国人受入れ
→ 企業が安い労働力に頼っているように見える - 結果として
→ 賃金が上がらない原因だと感じる
という構図です。
実際には、
賃金構造・産業構造・人口動態など複合的要因が絡んでいますが、
そこまで冷静に分解されることは多くありません。
4.外国人制度が「よく分からない」
外国人受入れ制度は、
- 在留資格が多く
- 制度改正も頻繁
- 目的(人手不足対策なのか、育成なのか)が分かりにくい
という特徴があります。
結果として、
「よく分からないものは怖い」
という心理が働きやすくなります。
これは行政側の説明不足・制度設計の問題でもあります。
5.「これまで何とかなってきた」という成功体験
日本は長年、
- 国内労働力だけで経済を回してきた
- 移民を本格的に受け入れずに成長してきた
という歴史があります。
その成功体験が、
「今回も何とかなるのでは?」
という楽観につながっている面もあります。
まとめ:反対意見の多くは「制度」ではなく「不安」
「外国人はいらない」という意見は、
必ずしも数字や制度を理解した上での反対ではありません。
多くは、
- 不安
- 不信
- 過去のイメージ
- 自分ごと化できていない現実
から生じています。
行政書士として伝えたいこと
外国人受入れは
是非を感情で決める話ではなく、現場と制度をどう設計するかの問題です。
行政書士の役割は、
- 制度を説明することだけでなく
- 企業・地域・外国人双方の不安を「翻訳」すること
その先に、
持続可能な人材活用があると考えています。
小原行政書士事務所では、外国人の在留資格申請や外国人雇用手続きに特化した専門サイトを開設しています。
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