1.在留資格制度の概要
1-1.在留資格「特定技能」
在留資格「特定技能」は、深刻な人手不足が生じている特定の14分野において、一定の技能・日本語能力を持つ外国人が就労できる制度です。
この資格では、許可された業務内容に限定した就労が認められ、1号の在留期間は通算で最大5年となります。
1-2.在留資格「技術・人文知識・国際業務」
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、自然科学や人文科学の分野に属する技術・知識を要する業務、または外国の文化に基づく思考・感受性を必要とする業務に従事する場合に該当する就労ビザです。代表的にはエンジニア・企画・マーケティング・通訳・翻訳・国際業務等が含まれます。
2.在留資格変更制度の根拠
在留資格の変更は、出入国管理及び難民認定法(入管法)第20条に基づき、現在の在留資格から他の資格へ変更を希望する場合に「在留資格変更許可申請」を行う手続きです。申請は本邦の地方出入国在留管理局に対して行います。
3.特定技能から技術・人文知識・国際業務への変更は可能か
3-1.制度上の可否
結論として、制度上は在留資格「特定技能」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請は可能です。ただし、変更は自動的に認められるわけではなく、申請者が新たな資格の要件を満たしていることが必要です。
4.変更申請で確認される主な要件
4-1.「技術・人文知識・国際業務」側の要件
「技術・人文知識・国際業務」への変更を認められるためには、以下のような要件の確認が重要です。
- 職務内容
新たに従事する仕事が「自然科学・人文科学の知識・技術を要する業務か」または「外国文化を基盤とした業務」であること。単純作業や特定技能の業務内容とは異なる高度な専門性・知識を必要とする内容である必要があります。 - 学歴・実務経験
一般的に大学等の学歴が必要とされるほか、関連分野で長年の実務経験を有する場合には実務経験が評価されるケースもあります。 - 雇用契約書等による根拠書類
新たな職務内容を示す雇用契約書・職務内容説明書等を提出し、変更予定の業務が在留資格の要件に適合することを証明することが求められます。
5.実務上の注意点
5-1.業務内容と実態の整合性
単に名称や肩書だけを変更した場合でも、実際の業務内容が「技術・人文知識・国際業務」の要件に該当しないと判断されると不許可になる可能性があります。たとえば、単なる現場作業の延長と評価されると、資格要件を満たさないと判断される場合があります。
5-2.同一企業・同一業務での変更
同一企業内での職務変更だけでなく、仕事内容が資格要件にふさわしいものであることを明確に示す必要があります。職務内容が過去の「特定技能」の業務と大差ないと認められれば、変更は難しくなります。
6.まとめ
在留資格「特定技能」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更は、制度上は可能です。ただし、変更を受けるためには新たな在留資格側の要件を満たしていること、特に職務内容・学歴・実務経験等が十分に関連することを証明する必要があります。
具体的な審査は個別事案ごとの実務判断となりますので、事前に関係書類や業務内容を整理し、専門家の確認を受けることが重要です。
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