永住許可ガイドラインが改定されました|収入・年金・日本語要件と適用時期のポイント

出入国在留管理庁は、2026年10月1日付で「永住許可に関するガイドライン」を改定しました。

収入・年金の水準、日本語能力、配偶者の特例期間など、審査で考慮される要素が大きく見直されています。適用時期にも注意が必要なため、改定のポイントと、申請を検討中・申請中の方が確認しておきたい点を整理します。

1. 何が起きたのか:10月1日付で正式に改定

出入国在留管理庁は2026年8月4日に改定案を公表し、意見公募(パブリックコメント)を実施していました。その手続きを経て、10月1日付で正式にガイドラインが改定されました。

改定後のガイドラインでは、永住者は「その後の生涯を本邦に生活の本拠を置いて過ごすことが想定されている」在留資格であることから、許否の判断にあたっては「特に慎重な審査を行う必要があります」と明記されています。

また、今回の改定にあわせて、これまで併用されてきた「我が国への貢献」に関するガイドラインは廃止されました。

2. 改定の主なポイント

収入(独立生計要件)

原則として、申請時点で、申請者の属する世帯年収の額が「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」に継続して達しているかが考慮要素とされました。

年金(独立生計要件)

将来受給可能な年金の見込額も考慮要素となりました。基準となるのは、「日本人世帯の平均収入を上回る年収水準で30年間働き、その期間、厚生年金に加入していた場合において将来受給可能な年金の見込額」です。

なお、見込額がこの水準に達しない場合でも、不足する生活資金を補填できる金融資産を有すると認められるときは、水準に達しているものと評価するとされています。

国益要件の考え方

国益に合すると認められるためには、「単に国益に反しないという消極的なものにとどまらず、積極的かつ具体的に当該外国人の永住が日本国に利益をもたらす必要があります」と明記されました。

あわせて、次のような要素も考慮されます。

  • 日本語能力:「日本語教育の参照枠」におけるB1相当レベル以上の日本語能力を有しているか(高度人材外国人やその家族、日本で初等・中等教育を累計6年以上受けた方など、一部除外あり)
  • 制度・ルールの理解:「生活・就労ガイドブック」に記載されている事項を中心に、日本の制度・ルール等を理解しているか
  • 子の就学:学齢期の子を養育している場合、子が小学校または中学校に通学しているか

公共の負担とならないこと

申請者の経済的状況等も国益要件の重要な考慮要素とされています。日本人・永住者等の配偶者や子など、独立生計要件が求められない方であっても、世帯が現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的である場合で、特段の事情が認められないときは、消極的に評価されることがあるとされています。一方で、家族単位での在留の安定や人道的配慮の観点を重視して総合的に判断するとされています。

配偶者の特例期間の伸長

日本人・永住者・特別永住者の配偶者の場合、「実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ、引き続き3年以上本邦に在留していること」とされました(これまでは婚姻3年以上・在留1年以上)。

3. 適用時期:ここが一番の注意点

ガイドラインでは、適用時期について次のように定められています。

  • 原則:2027年(令和9年)4月1日以降の申請から適用
  • 例外:「収入」と「公共の負担とならないこと」に関する部分は、改定日の6か月前の日(2026年4月1日)以降の申請であって、かつ、改定日(10月1日)において申請中である案件にも適用

つまり、すでに永住許可を申請して審査中の方であっても、2026年4月1日以降に申請した方は、収入などの新しい基準で審査される可能性があります。

一方、年金・日本語能力・制度理解・配偶者の特例期間などは、原則どおり2027年4月1日以降の申請から適用されます。

なお、10月1日以降2027年3月31日までに新たに申請する場合に、「収入」等の部分がどのように扱われるかについては、ガイドラインの文言上は明示されていません。本記事執筆時点では確認できていないため、今後の公式情報をご確認ください。

また、在留期間「3年」を有する方の経過措置(2027年3月31日までの申請であれば「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱う)は、引き続き規定されています。

4. 申請を検討中・申請中の方が確認しておきたいこと

  • 2026年4月1日以降に申請し、現在審査中の方:世帯年収が新しい基準に照らしてどうかを、早めに確認しておくことをおすすめします。
  • これから申請を検討している方:2027年4月以降は、年金の加入状況や日本語能力なども考慮されます。ご自身の年金記録や日本語能力の証明手段を、今のうちに整理しておくと安心です。
  • 日本人・永住者の配偶者の方:特例の期間が伸長されるため、申請時期の見通しをあらためて確認してください。

ガイドラインは審査で考慮される要素を示すものであり、最終的な許否は個別の事情を踏まえて判断されます。ご自身のケースが気になる方は、専門家にご相談ください。

まとめ

2026年10月1日付で永住許可に関するガイドラインが正式に改定され、収入・年金・日本語能力・配偶者の特例期間など、審査で考慮される要素が大きく見直されました。適用は原則2027年4月からですが、「収入」と「公共の負担」に関する部分は、2026年4月1日以降に申請し審査中の案件にも適用されます。申請を検討中・申請中の方は、ご自身の状況を早めに確認しておくことが大切です。