2026年8月4日、出入国在留管理庁が「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案」を公示し、意見募集を開始しました。特定技能2号の在留期間に新たに「5年」を追加する内容で、改正の趣旨には永住許可の要件との関係も明記されています。公式資料に基づき、現行制度と改正案の内容を整理します。
1. 特定技能2号の在留期間、現状はどうなっているか
出入国在留管理庁が公示した「改正の概要」によれば、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和56年法務省令第54号)別表第2において、特定技能2号(法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第二号に掲げる活動を行う者)の在留期間は現在、**「3年、2年、1年又は6月」**と定められています。
これは、特定技能1号が「1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新(通算で上限5年まで)」とされているのとは異なり、2号には在留期間の通算上限がない一方で、更新のたびに付与される期間の区分があらかじめ決まっている点が特徴です。
2. 今回の省令改正案の内容
出入国在留管理庁は2026年8月4日、e-Govパブリック・コメントにおいて「出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案」(案件番号315000139、根拠:入管法第2条の2第3項及び同法施行規則第3条)を公示し、意見募集を開始しました。
改正の概要は明確です。特定技能2号の在留資格に伴う在留期間について、現行の「3年、2年、1年又は6月」に加えて「5年」を新たに定めるというものです。改正後は「5年、3年、2年、1年又は6月」の5区分となります。既存の区分(3年・2年・1年・6月)が廃止・縮小されるわけではなく、上位の選択肢として5年が追加される形です。
省令案本体(新旧対照条文)を確認すると、改正対象は出入国管理及び難民認定法施行規則別表第二(第3条関係)の「特定技能」の項であり、条文技術上も「5年、3年、2年、1年又は6月」という形で最上位に5年が追加される構成になっています。
3. なぜ「5年」が追加されるのか(公式に示された改正の趣旨)
出入国在留管理庁が公示した改正の趣旨は、次のとおりです。
人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有する外国人の受入れを図るための特定技能制度の創設から8年が経過したところ、永住許可の要件(最長の在留期間を有すること)において、他の就労を目的とする在留資格(最長の在留期間は5年)に比して緩やかとならないように均衡を図る必要性、外国人の利便性の向上を図る必要性等に鑑み、在留資格「特定技能2号」の活動の目的を達成するために必要な期間について、より長い期間を定めることが相当であると考えられることから(中略)在留期間を改めるもの。
ポイントは2点です。
- 永住許可の要件との均衡:永住許可の要件の一つに「最長の在留期間を有すること」がありますが、技術・人文知識・国際業務など他の主要な就労系在留資格の最長在留期間が5年であるのに対し、特定技能2号はこれまで最長3年にとどまっていました。この差を解消する趣旨であると公式に説明されています。
- 外国人の利便性向上:更新回数の削減など、手続き負担の軽減も理由として挙げられています。
4. 意見募集の実施状況・今後のスケジュール
出入国在留管理庁が公示した意見募集要領によれば、スケジュールは次のとおりです。
- 意見募集期間:令和8年8月4日(火)~令和8年9月2日(水)(必着)
- 公布の日:令和9年1月上旬(予定)
- 施行期日:公布の日(=公布と同時に施行される予定)
意見の提出先は出入国在留管理庁参事官室で、e-Gov経由のほか、電子メール・郵送でも受け付けています。本記事の公開時点では、あくまで「案」の段階であり、意見募集の結果を踏まえて内容が変更される可能性がある点にご留意ください。
5. 対象者・受入企業が今から意識しておきたいこと
現行制度では、特定技能2号の在留期間は「3年・2年・1年・6月」のいずれかの区分で更新されています。今回の改正案が正式に決定すれば、長期にわたり特定技能2号で就労する外国人にとって、更新の手間が軽減される可能性があります。また、改正の趣旨で永住許可要件との均衡が明記されていることから、特定技能2号から永住許可を目指す方にとっても関連性のある改正といえます。
ただし、5年の在留期間がどのような場合に付与されるかという具体的な運用基準は、本記事作成時点で公表されていません。改正案の確定内容や運用の詳細については、今後の公式発表を継続して確認する必要があります。
まとめ
特定技能2号の在留期間に「5年」を追加する省令改正案が、2026年8月4日に公示され、意見募集が行われています(〜9月2日必着)。改正の趣旨として、永住許可要件(最長の在留期間を有すること)との均衡や外国人の利便性向上が公式に示されている一方、5年が実際にどのような基準で付与されるかは現時点で不明です。公布は令和9年1月上旬の予定で、公布と同時に施行される見込みですが、確定した内容は正式な公布を待って確認する必要があります。
