特定技能1号の在留期間、上限が「1年」から「3年」に|運用要領改正のポイント

特定技能1号の在留期間は、これまで「1年を超えない範囲」で法務大臣が指定する仕組みでした。2025年9月30日の運用要領改正により、この上限が「3年」に拡大されています。出入国在留管理庁の公式資料に基づき、改正の内容と実務上のポイントを整理します。

1. 特定技能1号の在留期間、これまでの仕組み

特定技能1号の在留期間は、法律上「1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」とされ、この指定期間ごとに更新を繰り返す仕組みになっています。改正前の運用要領では、この上限が「1年」とされていました。つまり、1回の許可で付与される在留期間は最長でも1年であり、在留を継続するためには少なくとも年1回の更新手続きが必要だったことになります。

2. 今回の改正内容:上限「1年」から「3年」へ

出入国在留管理庁は2025年(令和7年)9月30日、「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正を公表しました。この改正により、在留期間の指定に関する記載が次のように変更されています。

  • 改正前:「1号特定技能外国人について、在留が許可される場合には、在留期間として、1年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間が付与されます。」
  • 改正後:「1号特定技能外国人について、在留が許可される場合には、在留期間として、3年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間が付与されます。」

つまり、1回の許可で付与され得る在留期間の上限が「1年」から「3年」に拡大されました。ただし、これは上限が拡大されたということであり、必ず3年が付与されるわけではありません。実際にどの程度の期間が指定されるかは、個々の外国人の事情に応じて法務大臣が判断する仕組みは変わっていません。

3. 通算5年の上限は変わらない

今回の改正で変わったのは、あくまで1回あたりに付与され得る在留期間の上限です。特定技能1号としての通算在留期間の上限が5年であるという基本ルールは、従来どおり維持されています。

なお、同じ令和7年9月30日の改正で、通算在留期間の算定に関しても見直しが行われています。産前産後休業・育児休業や、病気・怪我(労災を含む。原則1年以下、労災の場合は3年以下)による休業期間について、疎明資料により在留を適当と認めるに足りる相当の理由があるときは、通算在留期間に含めない取扱いが新設されました。また、特定技能2号評価試験等に不合格となった1号特定技能外国人のうち、一定の要件(試験の合格基準点の8割以上を取得していること等)を満たす場合は、通算在留期間の上限が特例的に6年となる制度も新設されています。これらはいずれも「5年」という原則の例外を広げるものであり、原則自体を変更するものではありません。

4. 対象となる分野・対象者の範囲

今回確認できた改正内容は、特定技能1号の在留期間に関する記載の変更であり、特定の分野に限定した改正ではありません。分野を問わず、特定技能1号の在留資格に共通する規定として改正されています。

5. 実務上の変化

在留期間の上限が3年に拡大されたことで、実際に3年の期間が指定された場合には、更新手続きの頻度が減ることになります。特定技能所属機関(受入企業)にとっては、在留期間更新許可申請にかかる事務負担が軽減される可能性があります。特定技能外国人本人にとっても、更新のたびに必要な書類収集・手続きの負担が軽減されるメリットが考えられます。

6. 施行時期・確認できる範囲

本改正は令和7年(2025年)9月30日付で公表・改正されています。運用要領の改正であるため、公表以降の在留諸申請(在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請等)から適用されるものと考えられますが、既存の在留者に対する適用の詳細な経過措置については、本記事作成時点で確認できた資料からは断定できません。

7. 受入企業が今から確認しておきたいこと

特定技能所属機関としては、次回の在留期間更新許可申請の際に、どの程度の期間が指定される可能性があるかを地方出入国在留管理局や専門家に確認しておくとよいでしょう。また、在留期間が長期化する可能性がある分、雇用契約の期間や社内の人員計画についても、中長期的な視点での見直しが必要になる場合があります。

まとめ

特定技能1号の在留期間は、2025年9月30日の運用要領改正により、1回あたりの上限が「1年」から「3年」に拡大されました。一方で、通算在留期間の上限が5年であるという原則は変わっていません。実際に何年の期間が指定されるかの具体的な運用基準は本記事作成時点では確認できておらず、今後の公式発表や個別の申請結果を踏まえて確認していく必要があります。