「週28時間以内」だけでは足りない|留学生アルバイトの資格外活動許可の基礎

留学生のアルバイトといえば「週28時間まで」というルールがよく知られています。しかし、実際の制度は時間数だけでなく、許可の種類・業種・活動内容によって扱いが異なります。出入国在留管理庁の公式情報に基づき、留学生アルバイトの基礎を整理します。

1. 留学生がアルバイトをするには「資格外活動許可」が必要

在留資格「留学」は、入管法別表第一に定められた在留資格であり、原則として収入を伴う活動は認められていません。留学生がアルバイトをするには、「資格外活動許可」(入管法第19条第2項)を受ける必要があります。

出入国在留管理庁の公式情報によれば、資格外活動許可には大きく分けて「包括許可」と「個別許可」の2種類があり、両方の許可を受けることも可能です。

2. 包括許可の内容:週28時間以内、長期休業期間は1日8時間以内

留学生のアルバイト(いわゆる包括許可)は、1週について28時間以内の収入を伴う活動として許可されます。ただし、出入国在留管理庁の公式ページには次のとおり明記されています。

1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間にあっては、1日について8時間以内)の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行う場合は、資格外活動の包括許可が必要となります。

つまり、夏休みなど学則で定められた長期休業期間中は、週28時間ではなく1日8時間以内という基準に切り替わります。「28時間」という数字だけを覚えていると、長期休業期間中の扱いを誤解しやすい点に注意が必要です。

3. 就労させる際に確認すべき許可の要件

資格外活動許可の一般原則として、出入国在留管理庁は次の要件を挙げています(包括許可の場合、一部の要件は求められません)。

  • 現に有する在留資格に係る活動の遂行を妨げないこと
  • 現に有する在留資格に係る活動を行っていること
  • 申請に係る活動が法令に違反しないこと
  • 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、特定遊興飲食店営業等が営まれている営業所での活動、及びこれらに類する業務に従事しないこと
  • 収容令書の発付等を受けていないこと
  • 素行が不良でないこと

特に禁止業種に関する要件は、企業側が採用時に見落としやすいポイントです。風俗営業等が営まれている店舗での就労は、時間内であっても資格外活動許可の対象になりません。

4. 個別許可が必要になるケース

出入国在留管理庁の公式情報によれば、次のような場合は包括許可の範囲外となり、個別許可が必要です。

  • インターンシップに従事する場合:卒業に必要な単位をほぼ修得している大学4年生(9割以上取得が目安)、または修業年度末の大学院生(修士2年・博士3年相当)等が、就職活動の一環として職業体験を目的とするインターンシップに従事する場合、週28時間を超える資格外活動許可を受けることができます
  • 語学教師・通訳・家庭教師等:留学生と密接な関係にある職種、または社会通念上学生が通常行っているアルバイトの範囲内にある職種の場合
  • 起業を目的とした準備活動
  • 個人事業主等として活動する場合:稼働時間を客観的に確認することが困難な活動に従事する場合
  • 業務委託契約・請負契約で稼働する場合:標準的に従事する労働時間が明確でない場合

逆に言えば、雇用契約書等により従事する時間が明確な場合や、個人事業主として稼働時間を客観的に確認できる場合は、包括許可のみで就労可能とされています。

5. 「週28時間」の数え方について

包括許可は「1週について28時間以内」の活動として許可されるものであり、複数のアルバイト先を掛け持ちする場合には、勤務先ごとに別枠で28時間まで認められるわけではなく、留学生本人が資格外活動許可の範囲内で活動全体を管理する必要があります。もっとも、具体的な合算方法や起算日の定め方について、本記事作成時点で確認できた出入国在留管理庁の公式ページには詳細な記載がありませんでした。複数の勤務先で雇用する場合は、本人からの申告に加え、個別のケースについて地方出入国在留管理官署への確認をお勧めします。

6. 許可を得ずに、または時間を超えて働かせた場合のリスク

資格外活動許可を得ずに、または許可された範囲を超えて留学生を就労させた場合、留学生本人は不法就労に該当するおそれがあります。また、こうした事情を知りながら雇用した企業側は、不法就労助長罪に問われる可能性があります。採用時には在留カードの「在留資格」欄・「就労制限の有無」欄・裏面の「資格外活動許可欄」を必ず確認することが重要です。

7. 企業(雇用主)側が確認・管理すべきポイント

  • 在留カードで在留資格が「留学」であること、資格外活動許可欄に許可の記載があることを確認する
  • 勤務時間が週28時間(長期休業期間は1日8時間)の範囲内に収まるよう、シフトを管理する
  • 掛け持ちアルバイトの有無を本人に確認し、他の勤務先との合計時間を把握する
  • 風俗営業等、資格外活動許可の対象外となる業種・業態でないことを確認する
  • インターンシップ等で週28時間を超える活動をさせる場合は、個別許可の取得状況を確認する

まとめ

留学生のアルバイトは「週28時間以内」という数字が広く知られていますが、実際の制度はそれだけにとどまりません。長期休業期間中は1日8時間以内という基準に切り替わること、風俗営業等の禁止業種があること、インターンシップや個人事業主としての活動には個別許可が必要になる場合があることなど、時間数以外にも確認すべきポイントが複数あります。企業側は在留カードの確認とあわせて、これらの制度の全体像を理解しておくことが、適正な雇用管理につながります。