1. はじめに
北海道に拠点を置く企業が、本州や九州など道外に居住している外国人を新たに雇用する場合、在留資格(ビザ)の手続きを「どこの入管(地方出入国在留管理局)に行うべきか」という問題が生じます。 入管の手続きには厳格な「管轄」が定められており、原則として自由な選択は認められていません。本記事では、法令に基づいた適切な申請先について解説します。
2. 在留資格申請における管轄の原則
出入国管理及び難民認定法(入管法)に関連する諸規定により、在留資格に係る申請の提出先は、原則として「申請人の居住地」または「受入れ機関の所在地」を管轄する地方出入国在留管理局と定められています。
出入国在留管理庁の規定では、地方出入国在留管理局、支局、および出張所ごとに受入担当区域が分かれています。例えば、北海道全域は「札幌出入国在留管理局」の管轄となります。
3. 「道外居住者」を雇用する場合の申請先
申請の種類によって、選択できる管轄が異なります。
在留資格認定証明書交付申請(海外から呼び寄せる場合)
外国人がまだ海外にいる場合、申請人は「受入れ機関(企業)」となります。この場合、受入れ機関の所在地を管轄する入管へ申請します。したがって、北海道の企業が呼び寄せる場合は「札幌出入国在留管理局(またはその支局・出張所)」が申請先となります。
在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請(国内での転職等)
既に日本国内(道外)に居住している外国人を雇用する場合、申請人は「外国人本人」となります。この場合、原則として「外国人の現在の居住地」を管轄する入管へ申請しなければなりません。
- 例:東京に住んでいる外国人を北海道の企業が採用し、在留資格を変更する場合、申請先は原則として「東京出入国在留管理局」となります。
特例:受入れ機関の所在地での申請
実務上、受入れ機関の所在地を管轄する入管においても、当該機関の職員や地方入管局長に届け出た行政書士(申請取次者)が提出する場合に限り、受取を認められるケースがあります。ただし、これらはあくまで提出者の利便性や審査の効率性を考慮した運用であり、事案や地方局の判断により居住地での申請を求められる可能性も否定できません。
4. 管轄に関する実務上の注意点
管轄違いの局に書類を提出した場合、書類が受理されないか、あるいは移送(他局への送付)手続きにより審査開始までに時間を要することになります。
また、申請取次行政書士が提出を行う場合、当該行政書士が所属する会(例:北海道行政書士会)の管轄区域と、申請の管轄区域が一致している必要がある点にも注意が必要です。
なお、オンライン申請を利用する場合は、システムの利用対象となる受入れ機関等であれば、物理的な窓口の管轄に縛られず手続きが可能となる場面が増えていますが、審査自体は各管轄局が行う原則に変わりはありません。
5. まとめ
道外居住者を雇用する際の申請先は、以下の通り整理されます。
- 海外からの呼び寄せ:北海道(受入れ機関所在地)の入管
- 国内居住者の転職(変更等):原則として現在の居住地を管轄する入管(ただし受入れ機関所在地で受理される場合もあり)
円滑な雇用開始のためには、申請前に管轄を正しく特定することが重要です。
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