登録支援機関は育成就労制度でどう変わるのか?

育成就労制度を創設した改正法(出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律(令和6年法律第60号))には、特定技能制度の適正化も盛り込まれており、登録支援機関に直接影響する変更が含まれています。本記事では、登録支援機関を運営している方や支援を委託している受入企業に向けて、公表資料をもとに「何が変わるのか」「何を確認しておくべきか」を整理します。

前提の整理:登録支援機関と監理支援機関は別物

名称が似ているため混同しやすいのですが、次の2つは別の制度・別の機関です。

  • 登録支援機関:特定技能制度において、特定技能所属機関(受入企業)から委託を受けて1号特定技能外国人の支援を行う機関(出入国在留管理庁に登録)
  • 監理支援機関:育成就労制度において、育成就労実施者への監理と育成就労外国人への支援を行う機関(技能実習制度の監理団体に相当。外国人育成就労機構経由で許可)

育成就労制度が始まっても、特定技能制度と登録支援機関の仕組み自体はなくなりません。ただし、改正法により重要な変更が加えられています。

改正法による直接の変更点:支援委託先の限定

改正法の概要(出入国在留管理庁公表資料)では、特定技能の適正化として次のように記載されています。

特定技能所属機関(受入れ機関)が1号特定技能外国人の支援を外部委託する場合の委託先を、登録支援機関に限るものとする。

現行制度では、1号特定技能外国人支援に関する運用要領に示されているとおり、特定技能所属機関は支援の全部又は一部を契約により他の者に委託することができ、登録支援機関への委託が必須なのは「支援計画の全部の実施を委託して基準適合とみなされる」場合です。つまり、現行では支援の一部を登録支援機関以外の者に委託することも制度上可能ですが、改正後は外部委託先が登録支援機関に限定されることになります。

この変更は、登録支援機関にとっては支援業務の担い手としての位置づけが強まる一方、支援の質への期待・責任も大きくなることを意味します。なお、改正法は一部の規定を除き令和9年4月1日に施行されますが、個別の規定の施行時期・経過措置の詳細については、出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。

外国人育成就労機構との関係

改正法により、外国人技能実習機構に代わって設立される外国人育成就労機構の業務には、育成就労関係に加えて「1号特定技能外国人に対する相談援助業務」が追加されることとされています。特定技能外国人からの相談を受け付ける公的な窓口が明確になることで、登録支援機関の支援実務にも、機構との連携という新しい場面が生じることが考えられます。

育成就労からの受け皿としての登録支援機関

育成就労制度は、特定技能1号水準の技能を有する人材の育成を目的としており、育成就労(3年)を終えた外国人が特定技能1号へ移行していくことが制度の基本的な流れとして想定されています。

この流れが定着すると、特定技能1号として支援対象となる外国人には、育成就労の3年間で日本語(A2相当の試験合格が目標)と技能の基礎を身につけ、日本での生活経験を持つ人が増えていくことになります。支援の中身も、来日直後の生活立ち上げ支援中心から、キャリア形成や特定技能2号への移行を見据えた支援へと、重心が変わっていく可能性があります(この段落は制度設計から見込まれる一般的な見通しであり、公式資料に明記されたものではありません)。

登録支援機関が今から確認しておきたいこと(行政書士の視点)

  • 委託契約の確認:受入企業との間の支援委託契約の範囲(全部委託か一部委託か)を整理し、改正後の枠組みに対応できるか確認する
  • 支援体制の点検:支援責任者・支援担当者の体制、対応言語、定期面談(3か月に1回以上)などの現行義務が確実に履行されているか点検する
  • 公式情報の継続的な確認:施行時期・経過措置・関係省令の詳細は今後も公表が続くため、入管庁サイトを定期的に確認する

受入企業側も、支援を委託している先が登録支援機関かどうか、契約内容がどうなっているかを、この機会に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

登録支援機関に関する主な変更点の一つは、改正法により支援の外部委託先が登録支援機関に限定されたことです。また、外国人育成就労機構による1号特定技能外国人への相談援助業務が追加されるほか、育成就労制度の開始に伴い、支援対象や支援内容にも変化が見込まれます。改正法は一部の規定を除き令和9年4月1日に施行されますが、個別の施行時期や詳細な運用については、今後公表される法令や運用要領等を確認する必要があります。自社への影響について判断に迷う場合は、専門家へ相談することをおすすめします。